かつてすかいらーくの創業者である茅野さんから「良い接客が出来る店は、観葉植物もよく育つんだよ。だから私は店に入るとまず観葉植物を見るんですよ」といった話を聞いた事がある。なるほど、そういう風にいろんな角度から社員を見ているのかと関心した。
私のオフィスを訪ねてくるお客様が「素晴らしい観葉植物ですね〜」と半分お世辞で言われると、「自分が育てた植物を周りに置いておくと、いつも応援してもらっているみたいで元気になるんですよ!」そして、私は自慢げに茅野さんの話をして、あたかも自分が気配りの出来る人であること誇示して、いい気になっていた。
しかし、今年になって自慢のベンジャミンの数鉢を不覚にも枯らしてしまったかもしれない事に気付いた。オフィスのベランダは西南西向きの非常に日当たりの良い向きにあり、冬場でも日が差すとそこそこ暖かい。冬咲きのパンジーやカランコエやアリッサムなどは素晴らしい花を咲かせる。このベランダに挿し芽で育てたベンジャミンを3鉢置いていたのだが、この数日の寒さで急に元気がなくなってしまった。
冬の間は少し厳しい環境で育てて、春になったら一気に新芽を吹かせようと企んでいたのだが、夜間0度を下回った日が数日続いたのが響いたのだろう。室内に取り込んでも「時すでに遅し」といった具合で、美しい葉っぱが全て落ちてしまった。
わずか数メートルの距離で、毎日面倒を見ていたにもかかわらず、私の過失で辛い目にあわせてしまった。なんとか新芽を出して欲しいと暖房の効いた部屋で暖かいお水をあげたりしているのだが、いまだ変化はない。元気にしている他の植物達に睨まれながら、なんとも申し訳ない思いで一杯だ。