私は印刷関連の仕事に長く携わっているので、Apple社のMacintoshとの関わりはかなり古い。現在はApple社の100%子会社になったFileMaker社のユーザー代表として2000年にワールドエキスポジャパンで発表させて頂いた経緯もある。現在もFileMakerを使った文書管理ソフトの開発等で新規ビジネスも始めた。そんな馴染み深いApple社のStoreが数年前に突如渋谷に登場した。
弊社の事は良いとして、私はこれまでにApple Storeに何度かお世話になった。その度に必ずと言って良いほど感動させられた記憶がある。
初回はiPodの充電が出来なくなったので、修理の予約をPCで行った。指定の日時にiPodを持って行くと、二階のフロアに案内されて、いきなり新品の箱を開けて本体ごと交換してくれた。もちろんデータは瞬時にインポートしてくれた。これには驚いた。
最近ではiPhoneのOSのアップグレードによって発生したトラブルをこれまた瞬時に解決してくれた。iPhoneに関してはソフトバンクで購入したので、まずはソフトバンクへ持ち込んだのだが、OSの問題についてはお答え出来ないと門前払いであった。しかしApple Storeは違った。私が困って店内をうろうろしていると端正な顔立ちのハーフ男子店員が近づいてきて「お客様、まずはネットから修理の予約をお願いします」と通り一辺倒の返事をした。私は「ビジネスで使っているので、すぐに直してもらわないと困る」と返答してみた。すると端正ハーフ店員は少し困った顔をした後「お客様ちょっと店外へ出て下さい」と笑みを浮かべて囁き、私を店外へ導いた。「お店の中では言えませんが、ここはお店の外なので、貴方の友人としていくつかの方法をアドバイします」と解決法を教えてくれた。
もちろん結果は大きな感動と共に解決した。Apple Storeの対応とそのセンスの良さにはしびれた。オフィスに戻り社員にこの話をしまくった。さすがジョッブス様と思いきや同僚の濱野が言うには生前のジョッブス氏は何故かこのApple Storeには最初反対であったそうだ。詳しい経緯は分からないが、私はとにかくApple Storeの大ファンになってしまった。
しかし、先週困ったことが起こった。先日発売を開始した新しいiPadを購入しようとApple Storeに出向くと、今度は赤Tシャツの美人店員が「お客様、まずはネットから予約を行って下さい。毎日午後9時から予約を受け付けます」という。美人に諭されては仕方ないので、渋々オフィスに帰った。店頭では予約すら受付けないのだ。自宅で夕食を済ませてパソコンを前に午後9時を待った。9時の時報がなるやいなや申し込みをするのだが、僅か数秒で本日分は売り切れとなってしまうのだ。「今日は土曜日だから殺到したのかな?」など思って、翌日も試してみた。結果は同じだった。別に明日受け取らなくても良いので、予約だけでも受け付けてくれて欲しいのだが、それは叶えてくれないのだ。いくら何でも、毎晩9時に早押しゲームに参戦するわけにもいかないので、当分iPadは購入できないかとテンションが下がった。目と鼻の先にあるApple StoreはiPadを売ってくれないのだ。あれだけ私に感動をくれたApple Storeはどこへ・・・。あっという間に私の評価も普通のお店程度に格下げになってしまった。